2019年10月1日|午後2時8分| 更新されました2019年10月1日 |午後2時36分

ニューデリー/ラクナウ インドを襲った25年ぶりの激しいモンスーン豪雨により、北部2州での洪水や主要都市内で濁流が渦巻く中、当局が対応する中、6月以来1,600人以上が死亡したことが火曜日の政府データで明らかになった。

モンスーンは通常6月から9月まで続くが、すでに過去50年の平均よりも10%多い雨が降っており、収まるのは例年より1カ月以上遅い10月初旬になると予想されている。

長引く雨は大混乱をもたらし、北部ウッタルプラデシュ州とビハール州が最近の集中豪雨で最悪の被害を受け、先週金曜日以来144人が死亡したと当局者2人が発表した。

約200万人が住むビハール州の川沿いの首都パトナでは、住民らが食料や牛乳などの必需品を買うために腰までの深さの水の中を歩いていると語った。

パトナのアシヤナ地区に住むランジーブ・クマールさん(65)は電話でロイターに対し、地域全体が水によって立ち往生していると語った。

Rescue members evacuate people from a flood-affected neighborhood in India.
インドの浸水した地域から人々を避難させる救助隊。ロイター

「政府は何の救助も行っておらず、状況は非常に深刻です」と彼は語った。

月曜日、救援隊員らがビハール州のスシル・モディ副首相をパトナの自宅から救出した。ビデオ映像には、ショートパンツとTシャツを着た彼が家族とともにいかだに乗せられて連れ出される様子が映っていた。

市内のボーリング・ロード地区に住むサケット・クマール・シンさんは、家の中に約2フィートの水が溜まって4日間立ち往生したと語った。

「電気もなく、お金があっても無力でした」とシンさん(45)は語った。

インドで最も人口の多い隣のウッタルプラデーシュ州では、大雨により800戸以上の家屋が倒壊し、広範囲の農地が水没した。

A man sits on a boundary wall of a house as he waits to be evacuated
家の境界壁に座って避難を待つ男性。ロイター

連邦内務省が発表したデータによると、9月29日時点で今年の洪水と大雨により1,673人が死亡した。

当局者らによると、こうした死者の多くは壁や建物の倒壊が原因で、2019年に洪水関連の死者数が国内最多となる371人を記録した西部のウッタルプラデシュ州やマハーラーシュトラ州も含まれる。

ウッタルプラデーシュ州災害救援局の洪水専門家チャンドラカント・シャルマ氏はロイターに対し、「今回のような大雨が降ると、古い建物や脆弱な建物が倒壊する危険性が高まる」と語った。

森林伐採、水域の悪化、気候変動のせいでインドの洪水被害が発生しやすい地域の総面積がここ数十年で増加しているにもかかわらず、インドには洪水防止と予測システムが不足している、と他の専門家は言う。